誇大広告チェックポイントシリーズ1回目は探偵業届出番号
こんにちは。管理人のエスポワールです。探偵事務所の公式サイトを閲覧したり、比較する際のチェックポイントを解説していきます。
今回のテーマは「探偵業届出番号」です。探偵業届出番号とは何か、探偵業届出番号で何が分かるのか、探偵業届出番号がない探偵事務所は存在するのかなどを説明します。
そして、まず最初に結論を申し上げます。
「探偵業届出番号はあって当たり前なので公式サイトの届出番号をあえて気にする必要はありません。しかし、あって当たり前の探偵番号をわざわざアピールしている探偵事務所は時代遅れ」
というものです。以下に詳しく解説していきます 。
探偵業届出番号とは何か
探偵業届出番号とは、探偵業届出証明書に記載された登録番号を指します。上の写真は私の探偵業届出証明書ですが、「第30190096号」が探偵業届出番号となります。
つまり、探偵業届出番号があるということは探偵業届出証明書を交付されたことになり、所轄の警察署が営業実態を把握し、立ち入り検査を受けていることの証明になります。
また、探偵業届出証明書の交付には、「探偵業法(探偵業を営む上でのルール)を守って営業をします」という誓約書にサインが必要となります。ですから、探偵業届出証明書の交付を受けた者は探偵業法を遵守し、中身を理解しているとみなされます。
そして、探偵業届出証明書の交付により、「業務として特定の人間の尾行や張り込みをしてもあなたは問題ありません」という公安委員会のお墨付きを受けたことになります。よって、自身が探偵であることの証明が所属する探偵事務所の届出証明書の存在なのです。
ですから、探偵業届出証明書の交付を受けていない探偵事務所は探偵事務所とはいえないのです。
探偵業届出番号の並びから、営業開始年度が分かることがある
次に、番号の並びに関して解説します。
もう一度、私の事務所の届出番号を例に解説します。
届出番号の「第30190096号」 ですが、この番号から、この探偵事務所は「東京都に19年に届出を出した」ということが分かります。
理由は番号の最初の4桁の「3019」の部分の「30」が 各都道府県ごとに割り振られたコード番号に相当し、「30」が東京都の番号だからです。
尚、都道府県ごとに割り振られたコード番号は運転免許証の12桁の番号の最初の2桁にも使用されています。
次の「19」は19年を意味します。つまり、19年に届出を出したということを意味します。ただ、ここで大事なことは探偵業法が施行された2007年より若い番号は存在しないということです。つまり「3006」とか「3005」のような番号は存在しないのです。
また、「3007」であれば「東京都で07年以前からの営業実績」ということが分かるのですが、届出番号が「3019」だったとしても役員の変更や事務所の住所変更、名称変更などがある場合は新規で番号が割り振られます。よって、届出番号が「3019」であっても、2019年以前から営業している可能性が十分にあります。
このあたりの知識は少しマニアックなので、探偵事務所に依頼を考えている方でもさほど気にしなくてよいと思います。
「探偵業届出番号がない探偵事務所は要注意!」と書いてある時代遅れなサイトがある
それでは、依頼を検討する立場から各社の探偵業届出番号から何をチェックすべきでしょうか。
それは、探偵業届出番号そのものではなく、探偵業届出番号を解説した文章を見るべきなのです。
具体的なポイントは
公式サイトに「探偵業届出番号がない探偵事務所は要注意!」のような、他社を貶めるようなことを書いてある探偵事務所は10年時代遅れ。
ということです。
なぜ、10年時代遅れなのでしょうか。理由は、私が探偵業界に足を踏み入れる以前、探偵業法が施行された07年の頃は、探偵業届出証明書の交付を受けないで営業しているような、「何でも屋くずれ」のような中途半端な探偵業者がそれなりにあったそうなのです。ですから、
「弊社では探偵業届出証明書の交付を受けているので優良な探偵事務所ですよ」とアピールできたのです。10年前は。
しかし、現在では探偵業届出証明書、探偵業届出番号の交付を受けていない探偵事務所は存在しません。また、違法行為ではないかと疑いたくなるような「別れさせ屋」「何でも屋」のような会社でさえ探偵業届出証明書の交付を受けているのです。
ですから、まともな公式サイトを持つような探偵事務所では間違いなく探偵業届出証明書の交付を受けています。例外はありません。
にもかかわらず、未だに探偵業届出証明書の交付を受けていることをアピールすることは、周囲の環境の変化に10年間気付いていない探偵事務所であるという認識で問題ないと私は思います
尚、探偵業届出証明書に関しては他にも書きたい内容があるのですが、今回はこの辺りで終わりたいと思います。