探偵事務所の調査料金「結果が出なければ0円」の概要
こんにちは。管理人のエスポワールです。今回は探偵事務所の成功報酬型の料金体系をテーマにまとめます。
まず、成功報酬型の料金体系とは調査が成功した場合のみ調査費用が発生するというものです。調査の依頼を検討している方が「結果が出なければ0円」のような表記を探偵事務所の公式サイトで見た際に「どうして0円なのか」とか「いくらなんでもおかしい」と感じるのは当然ですが、このような料金体系を探偵事務所が採用する理由を解説したいと思います。
それでは最初に結論を申し上げます。
成功報酬型の料金体系を採用する探偵事務所には更に2つの戦略に細分化されます。それは、調査が成功した場合の費用の支払いが定額制である場合と従量制である場合です。定額制である場合は通常の調査費用と比較して2-3倍の調査費用が発生します。これは比較的容易に調査結果が出そうな案件に対して採用されます。従量制である場合は担当者が「確実に調査結果を出すために慎重に調査を進めさせてください」のように提案しつつ、調査時間や調査期間が長期化し、多額の調査費用が発生するというものです。こちらは調査結果がすぐに出ないような案件に対して採用されます。当然、これらは調査結果が出なかった場合は費用は発生しませんが、調査結果が出た場合には費用が通常よりも高額になります。
つまり、探偵事務所が結果が出ない場合のリスクを負う分、成功時のリターンをリスク以上に大きくしています。結局、成功報酬型の料金体系は探偵事務所にとって一方的に不利な契約ではなく、依頼者にとっても「結果がでなければ一切料金は支払いたくない」というニーズを満たすものになっています。
以下に詳細を解説します 。
成功報酬型×調査費用定額制パターン
まず、調査費用が定額制となる場合を解説します。探偵事務所にとって調査費用定額制を採用する時は比較的容易に調査結果が出ると判断した場合です。例えば、調査対象者が車両で移動して浮気相手と会うことが事前に分かっている場合です。具体的には、車両にGPSを取り付けて車両位置がラブホテルにある時に探偵が現場へ急行してホテルから出てくる調査対象者と浮気相手を撮影するというものです。また、浮気相手の自宅や勤務先が判明している場合はもっと楽です。理由は、調査が不貞の証拠の重ね撮りだけで済むからです。
二度目以降の調査も同様に行いますが、二度目の証拠が撮影できた場合は依頼者に報告する準備を進めます。たくさん調査しても調査費用の上限が決まっている以上、調査の発覚リスクを生むからです。このようにして、低リスクの調査で普段の調査の2‐3倍の調査費用を探偵事務所が受け取ることになります。
当然、何らかの原因で調査が発覚した場合は調査費用は発生しません。
成功報酬型×調査費用従量制パターン
次に調査費用が従量制となる場合を解説します。こちらは探偵事務所にとって調査難易度が定額制と比較して上がる場合が対象となります。例えば、調査対象者が本当に浮気をしているかどうかすら分からない、調査対象者が徒歩でも車両でも移動する、平日に不貞行為に及ぶ可能性がある一方で勤務先の退勤時間も決まっていないという場合です。この場合、調査依頼を受けた探偵事務所にとっても何時間或いは何回の調査で調査が終了するのか分からないのです。ですから、探偵事務所にとっても意図的に調査時間や調査期間を長くしようと思っていなくても、結果的に長くなってしまうことが多いのです。
もちろん、探偵事務所からすると調査時間が長くなっても調査結果が出てしまえばそれに応じた調査費用を依頼者に請求できます。しかし、探偵事務所は「調査時間が長くなっても結果が出せる確率は高くならない」事を知っています。また、依頼者側にとっても最終的に調査費用がいくらかかるか分からないという不安もあるので、探偵事務所側にとっても依頼者側にとっても不確定要素が多い難しい契約になります。
当然、何らかの原因で調査が発覚したり、浮気をしていないことが分かった場合は調査費用は発生しません。
「当社の結果とは不貞行為の証拠です」のような表記と「結果の定義」に要注意
続いて、成功報酬型の調査を検討する際に注意すべきことを解説します。それは、「調査結果における当社の結果とは不貞行為の証拠です」のような表記です。探偵事務所が出す結果とは、不貞行為の証拠を撮影であることは当然で、わざわざ強調すべき内容ではありません。
成功報酬型の調査が出てきたころは「不貞行為の証拠が撮影できなくても失尾せずに調査を終了できたこと」を結果として解釈するような探偵事務所も存在したようですが、恐らく今はないと思います。ただ、念のため依頼者側からも「結果の定義」について確認することを強く勧めます。その際、「不貞行為の証拠」という単語が出てこなければその探偵事務所とは契約すべきではありません。
ただ、繰り返しになりますが、最近の探偵事務所は「失尾せずに調査を終えたこと」を「結果」とするような探偵事務所はおそらくないと思います。
そもそも浮気調査は安い買い物ではない
結局、成功報酬型の契約そのものは良くも悪くもありません。ただ、調査の依頼を検討している方が「調査結果が出なければ費用が発生しない分、調査結果が出た場合は通常の調査以上の費用が発生する」という事だけ認識してもらえばよいと思います。
ただ、「0円」とか「無料」のようなワードが浮気調査に対する心理的なハードルを下げていることは事実かもしれませんが、本来、浮気調査は一般的には安い買い物ではありません。
また、現場に入る探偵としては成功報酬型の契約でも従来の契約でも、現場にはいる意識が大きく変わるようなこともありません。尚、私の所属していた会社の場合、成功報酬型の調査を成功させても他の調査よりも歩合給が高い訳でもなく、失敗した場合の罰金も変わりませんでした。
