浮気調査に必要なのは静止画ではなく動画
こんにちは。管理人のエスポワールです。今回は動画撮影についてまとめます。具体的には、「何を撮影するか」です。
まず、現在の探偵業界の撮影は全て動画です。写真を撮影する事はありません。ですから、調査の現場に一眼レフカメラを持参する事はありません。
動画である理由は、肝心な場面を動画による連続撮影することにより「シャッターチャンス」を逃すことを防ぐためです。例えば、「キスシーン」を撮影する場合、ビデオカメラの録画ボタンを押してフレームに撮影対象者が収まっていることを意識するだけ記録が残せます。しかし、写真の場合はフレームに撮影対象者が収まってることに加えて、肝心の瞬間に撮影ボタンを押すという高いスキルが要求されるため難易度が高くなるのです。
ですから、静止画での浮気調査はおそらく2000年以降は絶滅しているはずなのですが、何故かドラマ等で出てくる探偵はやたらレンズがでかい一眼レフカメラを調査対象者に向けていることが多いです。単に探偵の現場を知らない人が映像を制作しているからだと思われます。
以下に動画撮影のポイントをまとめたいと思います。
芸術的な映像ではなく記録映像を意識する
本来、浮気調査の映像は「証拠や記録」の役割を果たしています。つまり、映像によって調査対象者が「いつ・なにをやったか」が明確になることが本来の趣旨です。
例えば、「①9時に家を出る→②9時10分に品川駅に入る→③9時20分に山手線内回りに乗車する→④9時50分に池袋駅で降車する→⑤10時に駅を出る→⑥10時10分に勤務先に入る」のような一連の行動を撮影した動画を連続再生するだけで誰でも理解できるような映像が理想です。
具体的に解説すると
- 本人と自宅が映っている映像
- 外から品川駅の看板を撮影した映像
- ホームに入線する電車と行先が分かる映像
- 駅構内のホームの池袋駅の看板を撮影した映像
- 駅構内から「池袋駅東口A出口」等の看板を撮影した映像
- 本人と勤務先ビルの映像
を映像に収めるのがポイントです。
ですから、探偵には奇跡の瞬間とか幻想的な映像、迫力のある映像を撮影するような芸術的なスキルは必要ありません。しかも、何の目的で何を撮影しているのかが明確であれば映像の長さは短くても問題ありません。また、専門的な用語になりますが、撮影する映像はすべて分かりやすさを重視した「日の丸構図」です。
本当に必要なのは不貞の現場の入・出の映像だけ
依頼者が探偵事務所に求めていることは一つしかありません。それは、「浮気の証拠を押さえろ」です。
この点に関しては大昔から、写真で記録を残していた頃から一貫して変わらない原理原則であり、今後も変わりません。ですから、不貞の現場に入る映像、不貞の現場から出てくる映像は浮気調査における肝・本質そのものです。
探偵の立場からすると、不貞の現場を撮影するために、多くの時間と体力と精神力を費やしている為、そこに至るまでの長時間の尾行や張り込みを評価してもらいたいという思いが少なからずあります。
しかし、そんなことは依頼者にとっては全くどうでもいいことで、依頼者が要求しているのは不貞の証拠を押さえた数秒間の映像であって、そこに至るまでに費やした数時間ではありません。
ですから、探偵は依頼者からプロセスではなく、証拠を押さえた結果だけが評価されます。つまり、極端な言い方をすれば、不貞の現場を撮影できればその他はある程度いい加減でもよいのです。ただ、経験上、どうでもいい場面で手抜きする調査員は大事な場面でも適当な仕事をすることが多いです。
結局、動画の撮影といっても基本的には「録画ボタンを押すだけ」なので、スキルについて語れる要素はあまり多くなく、浮気の証拠を押さえるタイミングを確実にものにするという気合や根性と強運が大事なのですが、そこから先は精神論のようになってしまうのでここでは触れません。