探偵になりたい人のための「探偵学校カリキュラムー実習編ー」

探偵学校のカリキュラムにおいて、実習形式で学ぶことを整理する

こんにちは。管理人のエスポワールです。前回に引き続き探偵学校で勉強する中身に関して内容をまとめます。

今回は座学ではなく、実際に外へ出て実習形式で勉強する「尾行実習」の解説になります。

尾行実習の具体的な内容は以下の4点です。

  1. 張り込み(現実再現度50%)
  2. 面取り(現実再現度20%)
  3. 尾行(現実再現度50%)
  4. 撮影(現実再現度70%)

尚、実際の仕事と探偵学校の実習では環境やプレッシャーが異なります。その違いを参考までに「現実再現度」として併記しました。これらは私の独断と偏見による分類です。参考程度に読んでいただけたらと思います。

張り込み(現実再現度50%)  

探偵学校の尾行実習のスタートは基本的に探偵事務所からのスタートになります。ですから、一番最初の張り込み位置は探偵事務所の入居しているビル付近となります。

探偵学校の講師やアシスタントが尾行される役割となるのですが、事務所の窓から外をのぞいた時に張り込みをしている生徒の場所が分かる場合、どこで張り込みをしているかによってその人のセンスが一発で分かってしまう場合があります。出入口の見やすさと立っている場所が自然かどうかがその判断基準となります。

実際の仕事との違いは、実習時間に限度がある為、生徒に1時間以上の張り込みをさせることができないことです。また、実際の仕事では不貞の現場の張り込みになると一晩中張り込みを続けることになります。

探偵の仕事は「尾行と張り込み」です。しかし、尾行と張り込みと言っても尾行よりも張り込みの方が圧倒的に精神的にも肉体的にも負担が大きいのです。張り込みの辛さが実習では分からないという意味で現実再現度は50%としました。

面取り(現実再現度20%)

張り込み中に出てきた尾行対象者を捕捉することを「面取り」と言います。面取りは尾行実習と実際の現場ではその難易度に大きな開きがあります。尾行実習と言っても、探偵学校では探偵学校の講師やアシスタントといった、「見たことがある人」の面取りをします。

ただ、実際の現場では写真を数枚渡されただけの、「見たことがない人」の面取りをしなければなりません。自宅から出てくる場合ならともかく、尾行対象者の勤務先からのスタートの場合は実際の探偵でも面取りができずに終わる場合も珍しくありません。しかも、写真のクオリティや性別によっては、事前に提供を受けた写真を見過ぎることで、イメージが固まり過ぎて面取りに失敗することもあります。

写真をよく見て特徴を把握することも大事ですが、写真をよく見過ぎても失敗するのが面取りなのです。面取りの難しさは探偵学校の尾行実習では分かりようがないのです。ですから、現実再現度を20%としました。

尾行(現実再現度50%) 

尾行実習で最も楽な実習が尾行です。面取りに成功したら尾行開始になります。面取りに失敗しなければ、尾行をしたことが無い人でもそれなりに追えるはずです。尾行が始まったら後は時間が過ぎるのが早いです。体感的には張り込みの半分以下です。

また、実際の現場との違いは、張り込みと同様に実習時間に制限があるので終わりが予想できる点です。実際の現場ではいつまで尾行を続けなければならないのかわからない状態が続きます。尾行対象者を追い切ったときに終電が無いことなんて普通です。

なお、探偵学校の尾行実習では独立開業向けの講義以外では車両尾行を勉強しません。私は首都圏の浮気調査がメインでしたが、地方であれば車両尾行と車両張り込みの割合が高くなります。ただ、車両尾行に関してはある程度徒歩での尾行が上達した次のステップという位置づけでよいと思います。以上の点を考慮に入れると、尾行の現実再現度は50%となります。

撮影(現実再現度70%) 

比較的実際の現場と大差がないのが撮影です。探偵学校の生徒の撮影した映像はあまりにひどくて見てられないのですが、回数を重ねるうちに上達します。探偵学校の初日と最終日でも明らかに上達が認識できるほどになります。

大事なことは「隠し撮りをしている事に引け目を感じないメンタル」です。あとは、映像を見ただけで尾行対象者の足取りが分かるように、建物の看板や乗り物の行き先の表記を丁寧に撮影することです。

また、実際の現場との違いは「何が何でも撮影しなければならない不貞の決定的な証拠となる場面」が尾行実習ではないことです。もっとも、「不貞の決定的な証拠となる場面」を奇麗に撮影することは実際の探偵でも簡単なことではないのです。よって、撮影の現実再現度は70%としました。

「失敗したら電話連絡してやり直し」それが尾行実習

尾行実習中に尾行対象者を見失ったり、建物から出てきた尾行対象者に気付かなかった場合はどうなるのでしょうか。そういった場合は、迷わず電話してリカバリーすることになります。無駄に探し回っても発見できる可能性が低く、時間の無駄になっては実習の意味がなくなります。ですから、尾行実習ではこのような敗者復活が認められるのです。

しかし、いくら尾行実習でも敗者復活制度に慣れ過ぎてはいけません。実際の現場では失敗を自己申告してやり直せることなどないのですから。この点が実習と現場の最も大きな違いです。

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