非常に特殊な探偵事務所のリクルート事情
こんにちは。管理人のエスポワールです。今回は探偵学校を卒業した後の就職事情に関してまとめたいと思います。
結論を先に書くと、探偵学校の入学の経緯により卒業後の身の振りがそれぞれ異なります。入学の経緯に関しては下記の3つに分類されます。
- 探偵事務所に就職後、探偵学校に入学(入学金免除)
- 探偵学校に一般入学(入学金は自己負担・進路未定)
- 探偵学校に一般入学(入学金は自己負担・探偵事務所に就職確約)
以上の3点を解説していきます。
探偵事務所に就職後、探偵学校に入学(入学金免除)
こちらは探偵事務所に入社した社員が探偵学校に入学し、卒業した後に現場に出るパターンです。私の探偵学校の2度目の入学パターンになります。つまり、一般企業で言うところの新人研修に相当するのですが、それでも探偵学校のカリキュラムが終了すると卒業証書が貰えます。
また、「本来授業料が必要だけどあなたは特別ですよ」というような事を事務所の代表から言われたりもします。ただ、探偵事務所に就職して会社の指示で強制的に入学するのだから、わざわざこのような事を言われても少し困ってしまいます。これは、授業料免除で学校に入学できる事を感謝してほしいという会社側の意図であり、会社に対して従順な社員にしようという一種の洗脳工作です。
そして、私と同期入社した同僚は「25万円相当の探偵学校に給料をもらいながら通わせてもらうことに感謝します!」とか言って、本当に洗脳されていたのですが、それを見た私はさすがに引いてしまいました。それにもかかわらず、その同期はすぐに辞めてしまいましたが。
尚、授業に関してはかなり厳しく指導を受ける事になります。生徒といっても探偵事務所にとっては「お客様」ではないのですから、その辺りは当然です。
探偵学校に一般入学(入学金は自己負担・進路未定)
こちらは探偵学校に入学する一般的なコースです。私の探偵学校の1度目の入学パターンです(ガル探偵学校)。
この場合、探偵学校に入学する際に、「卒業後は求人を出している探偵事務所を紹介しますよ」くらいの事を言われる程度で、卒業後に必ずしも探偵になれる訳ではありません。「探偵学校に入学しても、必ずしも探偵になれるわけではない」ということは探偵業界にいると当然なのですが、探偵学校の入学の際に重点的に説明すべき大事な部分だと思います。
探偵学校の生徒は探偵になりたくて高額な授業料を支払う訳なのだから、本人にやる気があればできる限りフォローすべきです。私の場合、卒業後に履歴書を提出した後で「興味を持った探偵事務所があれば連絡が来ますよ」と言われたのですが、何の連絡もありませんでした。そして、待ってばかりいても仕方がないのでハローワークに求人を出していたガルエージェンシーに直接電話し、「探偵学校の卒業生ならば履歴書と職務経歴書を郵送してください」と言われた後、すぐに書類を郵送したのですが、不採用の連絡すらなく、そのままフェードアウトしました。
当時は探偵学校での成績があまり良くなかったから就職できないのだろうなと思いましたが、今思うと単に人を採用する余裕がなかっただけのような気がします。
そして、ガルエージェンシーと私の関係はこの時で終わりました。探偵学校の学費は正直言って痛すぎる出費でした。今でも私の履歴書がガルエージェンシーに残っているのか気になります。
その後、私は探偵学校の紹介に頼らずに別の探偵事務所に就職します。
そして、1番のような形で再度探偵学校に入学するのでした。私のように、系列の探偵事務所に就職できない場合は、他の探偵事務所に就職すべく自力で就職活動しなければなりません。
ですから、探偵になれなかった場合は授業料をドブに捨てる覚悟で探偵学校に入学する必要があるのです。
探偵学校に一般入学(入学金は自己負担・探偵事務所に就職確約)
こちらは探偵学校に入学の際、探偵事務所側から「卒業後はここで働きませんか?」と言われる場合、もしくは、探偵事務所に入社の面接の際に「探偵学校に入学すれば探偵として雇いますよ」と言われる場合です。
雇用契約上、雇われる側が雇う側に先に金銭を渡すような形が法律的にアリなのか怪しいのですが、これが探偵業界です。もっとも、このようなことが法律的にNGだからこそ、探偵事務所の運営と探偵学校では形式上別の組織にしているのかもしれません。
そして、このような申し出を断るような入学希望者もいないので、変な習慣が定着してしまっているのです。
私が経験しているのは1番と2番の場合ですが、仮に探偵事務所側から、「探偵学校に自己負担で入学すれば探偵として雇いますよ。ぜひがんばりましょう!」と言われたら承諾していたと思います。探偵という仕事をどうしてもやってみたかったからです。
そういえば、探偵事務所で働いていた頃、探偵学校の授業料を毎月の給料から天引きされている先輩がいました。会社によっては授業料一括前払いではなく、給料天引きの入学契約・雇用契約も可能です。
結局、経済的な理由で探偵学校に自費で入学することはあまり勧められない
以上、探偵学校のリクルートと探偵学校に関してまとめました。
私は探偵学校の存在そのもの、或いは探偵事務所のリクルートとしての学校の在り方に否定的な立場ですが、それでも探偵になりたいのならば、私が勧めるのは当然1番です。
しかし、これに関しては探偵事務所の抱える案件の数やタイミングが重要なので、本人の意欲や力量以外の要素が大きくなります。
また、1番のルートで探偵になった人物が、2番3番ルートの人物よりも探偵として優秀と言う訳ではありません。尚、1番のルートで探偵事務所に就職した場合でも、一定期間内に離職した場合は探偵学校の授業料が発生する場合があるので、この辺りも注意が必要です。
さらに、入社が数ヶ月しか違わないのに探偵学校に自己負担で入学した人と会社負担で入学した人がいたりするので、このような採用方法は公平性の観点からも少し問題があります。
いずれにしても探偵事務所のリクルートに関しては一般企業と比較して非常に特殊と言えます。