探偵事務所の業界団体は卑屈な考えを持った経営者の連合組合

誇大広告チェックポイントシリーズ9回目は業界団体の存在

こんにちは。管理人のエスポワールです。探偵事務所の公式サイトを閲覧したり、比較する際のチェックポイントを解説していきます。

今回のテーマは一部の探偵事務所が所属している業界団体の存在です。具体的には、業界団体の役割や似たような名前の業界団体が乱立している理由を解説します。

そして、まず最初に結論を申し上げます。

「契約しようとする探偵事務所が何かしらの業界団体に所属していても、所属していなくても特に気にする必要はありません。そもそも、日本全国の全ての探偵事務所をまとめたような業界を代表する団体は存在しません。探偵業の業界団体は、○○協会所属、○○連合所属、○○協議会所属という肩書があれば、探偵業界の実態を知らない人に少しでも信頼できる会社であることをアピールできるのではないかと考えた、卑屈な考えを持った探偵事務所の経営者の連合組合だからです」

以下に詳細を解説していきます。

探偵業界における業界団体の本来の役割

探偵業界における業界団体の役割は、所属する探偵事務所を会員とする、会員の調査技術の向上を目的とした教育・勉強会を実施したり、協会宛に受けた調査の依頼の斡旋を主な業務としています。

具体的には教育・勉強会に関しては年に数回の離婚問題に詳しい弁護士さんに依頼して講演をしてもらうような真面目な会合もあれば、教育・勉強会とは名ばかりの懇親会を実施したりします。ただ、組織の大きくない業界団体の場合は、ほとんど何もしません。

また、協会宛に受けた調査の依頼の斡旋に関しては、協会自体は潤沢な広告宣伝費があるわけではないので、一般消費者から調査を受けることはほとんどありません。

つまり、これらの業界団体は探偵業界の健全化に向けた広報宣伝活動やロビー活動をするような、業界全体の代表的委託業務を受託しているわけではないのです。結局、業界団体が大きな影響力を持っていないというよりも、探偵業界そのものが一枚岩ではないということなのです。

ただでさえ小さい探偵業界に業界団体が乱立する理由

それでは、なぜ探偵業界は探偵事務所が一枚岩にならないのでしょうか。

それは、探偵業界は零細企業が大部分を占めており、私のような営業実態がほとんどないような「一人親方」も多くいる中で、そもそも最初から「徒党を組む」という発想がないのです。また、依頼を受ける為には自社の公式サイトで、誇大広告や嘘、「悪徳探偵業者に注意!」などと、他社を貶める行為が日常的に行われている為、特に大手同士は手を組まない、手を組めないのです。

そうなると、業界団体に所属しているという肩書が欲しいだけの探偵事務所は業務委託している下請け業者と共に実体のない名前だけは立派な業界団体を設立してしまうのです。業界団体が乱立する理由がそこにあります。

そして、ひどい場合は業界団体それぞれがお互いの業界団体の優劣をアピールをしてしまう始末なのです。

探偵事務所の経営者は、業界団体に所属していれば信頼できる探偵事務所だとアピールできると勘違いしている

それでは、探偵業界に対する影響力もなく、探偵事務所同士が連携する気もないのに、なぜ、業界団体そのものが存在しているのでしょうか。

それは、依頼を検討している一般消費者に対してクリーンなイメージを持ってもらうためです。つまり、「この探偵事務所は〇〇協会所蔵だからちゃんとした会社だろう」と思ってもらいたいだけなのです。

しかし、もうお分かりのように探偵事務所の業界団体は、探偵事務所と依頼者との間でトラブルが起きた際の相談窓口ではありません。依頼者とのトラブルが発生した探偵事務所を除名処分にしたような事例も聞いたことがありません。

ですから、もしも契約トラブルに発展してしまった場合は探偵事務所の手垢のついた業界団体ではなく、国民生活センターへ相談すべきですし、それ以前に自己防衛が必要なのです。

つまり、調査を依頼を検討している探偵事務所が業界団体に所属しても、所属していなくても全く気にする必要はありません。

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