しょうゆ探訪記ー千葉県野田と和歌山県湯浅ー

九州のしょうゆが甘かった

上記の写真は大分へ旅行へ行った際に注文したお刺身盛り合わせと刺身定食の写真です。ご覧の通り刺身の切り付けや盛り付けが素晴らしく、非常においしそうです。また、刺身の盛り合わせにマグロがない点も西日本らしく、特に九州ではサバを生で食べることも特徴です。

こちらは関アジと関サバの握り寿司です。一皿300円でした。大分では時期によっては関サバや関アジも回転すしで食べれられるようです。ただ、刺身や寿司を食べた際に最も印象に残ったのはしょうゆの味でした。九州のしょうゆが甘いことは知識として知っていたのですが、想像以上でした。店によっては関東の濃い口しょうゆを置く店もあるのですが、あえて地元の調味料で味わうことにしました。九州のしょうゆの味は東京の感覚からすると、アナゴのお寿司の上に塗られる「つめ(煮詰め)」に近い感じがします。甘いだけでなく、粘度もあるのです。

この体験からしょうゆというものを見直してみたいと思ったのでした。

キッコーマン物知りしょうゆ館へ行く

続いて、キッコーマンの工場を見学すべく、千葉県野田市へ向かいました。

こちらは東武鉄道アーバンパークライン野田市駅のホーム上の駅名案内板です。駅名の表記の下に「キッコーマンもの知りしょうゆ館前」とあります。この辺りは広告代理店に勤務していた頃によく利用していましたが、風向きによっては工場からしょうゆの匂い、大豆を茹でたような匂いがしたものでした。また、線路を挟んで南側と北側に工場が建てられているのですが、地下のパイプラインで二つの工場は繋がっています。

東武鉄道アーバンパークラインは東武野田線という名称の方が一般的ですが、「野田線」という名前にある通り、野田で生産されたしょうゆの輸送の為に敷いた貨物路線が鉄道のルーツにあります。鉄道が敷かれる前は近くの江戸川から船で都心まで運んでいたのでした。

皇室献上用醤油蔵見学

こちらが工場の正面です。駅から徒歩で数分ですが、目の前の道路を横断する際は信号もないので注意が必要です。

こちらは工場の手前にある皇室向け専用しょうゆの醸造所、通称御用蔵です。城廓風の建物に格式の高さを感じます。

御用蔵で製造されるしょうゆは「さいしこみしょうゆ」というもので、麹をタンクに仕込む際に食塩水を合わせるのではなく、生しょうゆを使います。つまり、生しょうゆにさらにしょうゆ麹を加えたもろみ(しょうゆになる前の段階のもの)を利用するという、二段階の段取りを踏んでいるのです。

皇室に納品されるしょうゆは期間限定、数量限定で一般販売もされます。

工場見学とまめカフェでのしょうゆ味比べ

こちらが工場入り口です。最初の工場設立は1926年(大正15年)です。こちらの工場ではしょうゆの製造工程、キッコーマンの歴史を学ぶことができます。

また、日本だけでなく世界中の工場で生産されている商品紹介が興味深いです。

こちらが工場内に併設されているレストラン「まめカフェ」です。今回の工場見学で最も楽しみにしていた施設です。こちらのレストランではキッコーマンのしょうゆ製品の味比べができるのです 。

豆腐4つが到着。小鉢に半丁サイズの木綿豆腐が入っているというシンプル過ぎるメニューです。半丁サイズの木綿豆腐をさらに4分の1サイズにして、卓上のしょうゆを数滴たらしながら豆腐を味わいます。

今回の豆腐を食べながらのしょうゆ味比べではこちらの牡蠣しょうゆがよいと思いました。ただ、刺身や寿司を食べるときは普通の濃い口しょうゆがよいと思います。味がついた「だししょうゆ」は料理次第では相性が悪い物もあるかもしれません。

しょうゆ発祥の地、和歌山県湯浅町へ行く

こちらの写真は和歌山県の湯浅町にあるしょうゆ蔵です。

和歌山県湯浅町は日本のしょうゆの発祥の地とされています。もともと湯浅の地では最初は鎌倉時代に中国から伝わった味噌の醸造が盛んでした。その後、味噌の製造過程における、大豆と食塩の浸透圧の差から出てきた上澄み液が日本のしょうゆの原点となったのです。

こちらが実際のしょうゆ樽です。こちらの樽から一升瓶3000本ほどのしょうゆが醸造されます。

ここでしょうゆ樽のもろみを櫂(読み:かい)とよばれる棒で撹拌します。

こちらの先端に長方形の板がついている棒が櫂です。

こちらのしょうゆ蔵でもしょうゆ味比べコーナーがありました。

売店ではしょうゆ味ソフトクリームも販売中でした。

全国各地のしょうゆが集まる店、醤油職人松屋銀座店へ行く

最後に、日本全国のしょうゆが集まるお店を紹介したいと思います。醤油職人松屋銀座店です。

日本各地のしょうゆの味見、味比べが可能で、小瓶で全国各地のしょうゆを買うことができます。

また、スタッフさんのしょうゆに関する知識も豊富なので、料理に合わせたしょうゆの提案など、他のお客さんがいないときにカウンセリングしながらしょうゆを買うのが楽しいお店です。

この店舗では九州地方の甘いしょうゆも買うことができます。

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