松江城訪問記ー松江では盆踊りを踊らない理由とカニ小屋ー

現存天守12城シリーズの10回目は松江城

こんにちは。管理人のエスポワールです。現存天守12城シリーズの10回目は島根県松江城です。

島根県松江市にある松江城は1611年に築城されています。松江城は2015年に国宝の指定を受けましたが、築城年度が明らかになったことが松江城の国宝化の大きな要因とされています。

そして、松江藩は堀尾家が跡継ぎがなく改易となるまで33年間、京極家が跡継ぎがなく改易となるまで3年間、松平家が廃藩置県まで233年間藩主となりました。また、歴代城主の中で松平家として初代の藩主となった松平直政は松江藩の前は松本藩の藩主という経歴を持ち、現存天守12城のうちの2か所で城主となった人物となりました。

松江城は宍道湖の北側、JR松江駅からバスで15分ほどの距離にあります。徒歩だと30分程ですが、訪問した当日は天気も悪くて思いのほか遠く感じました。また、観光資源も松江城周辺に集中しているので、松江駅から松江城まではバスでのアクセスが良いと思います。

全国で唯一、井戸が天守内にある

こちらは松江城の堀の写真です。小舟にのって堀を巡るツアーも実施しています。

こちらが松江城の大手門跡です。1873年の廃城令により天守以外の建造物が全て撤去されています。現在、こちらの大手門は復元事業が進んでおり、廃城令以前の古い写真や図面、地図などの資料を懸賞金をかけて探しています。

こちらが松江城天守です。天守入り口部分を附櫓(つけやぐら)といいます。天守の入口部分をより強固に設計した作りになっています。 また、松江城は1738年から1743年にかけて改修が行われており、現在とは屋根の装飾(破風など)が異なっていたようです。

こちらが松江城天守内にある井戸です。井戸が天守内にあるという事は兵糧攻めに対する耐久力が強い事を意味しています。以前、NHKのテレビ番組で「日本最強の城を決める」という企画がありました。その企画では松江城が日本最強と決まったようですが、その要因はこの井戸の存在が大きいと思います。尚、テレビ番組自体は見てません。

こちらは暗くて見えないのですが井戸の中の写真です。井戸の深さは当時24mほどあったそうですが、現在は埋められて水はありません。井戸の底に小銭が投げられているのが確認できます。

松江に盆踊りがない理由

松江に盆踊りがない理由は、松江城の人柱伝説に由来します。松江城の人柱伝説は、一時期松江に滞在していたギリシア生まれの日本の民俗学者の小泉八雲の民話集「人柱にされた娘」にまとめられています。作品のあらすじを紹介します。

松江城の築城時、天守台の石垣は何度も崩落した。そんな状況を変えるには人柱を立てる、つまり、誰かを生贄にすることが必要だと考えた堀江家の家臣は盆踊りの参加者から生贄を選ぶことにした。そして盆踊り当日、堀尾家の家臣は踊りの上手な女性を連れ去り、天守台に生き埋めにすることを決行する。女性の生き埋め以降、石垣は無事完成するのだが、城下で盆踊りが行われる度に天守が揺れるという怪奇現象が起きてしまう。それ以降、生贄となった女性の呪いを恐れた松江の人々は盆踊りを踊らなくなったという。

もちろん、盆踊りや呪いといったエピソードは後付けの可能性がありますが、工事完成の為の人身供養の風習や言い伝えは日本に限らず世界中で存在しています。現存天守12城の中では丸岡城にも築城工事の進捗の遅れを生贄を出すことで解消しようとした人柱伝説があります。  

期間限定店舗「カニ小屋」に松葉ガニを食べに行く

夕食は山陰地方のカニ漁の時期のみの営業店舗であるカニ小屋へ向かいました。こちらの店舗は都内で近年増加中の「カキ小屋」のコンセプトをそのまま「カニ」に置き換えた店舗です。レジ前に陳列している食材を購入し、卓上のコンロで各自焼いていくというスタイルです。この日は松葉ガニ(時価:訪問当日は3500円)他、ホタテ貝とイカ一夜干しを購入し焼いていきます。

また、カニの身をほぐす作業も自分でやらなければならないのですが、カニの殻から完全に身をほぐす作業を久々にやってみると意外と楽しく、カニの爪の先の身をほぐしていくような細かい作業に没頭します。

結局、ここまでの作業に40分もかかってしましました。この店は本来であれば賑やかな居酒屋のような店舗なのだと思いますが、私以外にもカニの身をほぐす作業に没頭する客が多いため、店内は意外と静かでした。もちろん、カニは美味しかったです。


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