探偵事務所の公表する「依頼者からのお礼の手紙」に関して思うこと

誇大広告チェックポイントシリーズ7回目は手書きのお礼の手紙

こんにちは。管理人のエスポワールです。探偵事務所の公式サイトを閲覧したり、比較する際のチェックポイントを解説していきます。

今回のテーマは探偵事務所の公式サイトでまれに公開されている依頼者からのお礼の手紙です。具体的にはお礼の手紙の真偽と調査を検討する方が手紙の内容から参考にすべきポイントを解説します。

そして、まず最初に結論を申し上げます。

「お礼の手紙そのものは実際に調査後に依頼者から送られた物で、偽物ではない。ただ、依頼を検討する方は調査の成功事例を鵜呑みにするのではなく、依頼者の年齢や家庭環境、調査後の生活の変化は参考にすべき」というものです。

以下に詳細を解説していきます。

手書きのお礼の手紙は探偵事務所のスタッフが書いた自作自演ではない

まず最初に、探偵事務所の公式サイトで紹介されるような依頼者からのお礼の手紙は全て本物です。少なくても私の勤務していた探偵事務所では。

探偵事務所の公式サイトは誇大広告・誇大表現が入り乱れていますが、自作自演が容易だと思われる依頼者の手書きの手紙が本物であることは少し意外に思われるかもしれません。

しかし、依頼者の手紙の本文だけでなく封筒も見ているので間違いなく本物です。以前、私はこのような手紙を探偵事務所の自作自演だと疑っていて、勤務していた探偵事務所の代表にお礼の手紙は本当に実在するのか聞いてみたところ、現物を見せてくれたのです。 公式サイトにも公開されている依頼者からの手紙は代表のデスクの鍵付きの引き出しの中に大切に保管されていました。

よって、自作自演でお礼の手紙を書くほど探偵事務所も暇ではないということになります。

調査を依頼する人にとって参考になるのは手紙を書いた方の境遇

それでは、調査の依頼を検討する立場からこのような手紙はどのような点に注目すべきでしょうか。それは、調査の中身ではなく実際に探偵事務所に調査を依頼した人の年齢や家族構成や調査後の環境の変化です。

探偵事務所に依頼をする方は悩みごとの性質上、容易に周囲に相談できません。ですから、同じような境遇にある他人がどのようなことを感じたか、どのようなことが不安だったか、パートナーに詮索されないでどのように高額な調査費用を捻出したかなどは非常に参考になるはずです。

また、パートナーの浮気が発覚しても子供のために嫌々ながら夫婦関係継続しなければならない決断をした人の心理の描写や、調査後の環境の変化に戸惑いながらも新しい人生を歩みだす前向きな姿勢を綴った文章はなかなか読み応えがあります。

直筆の手紙は個人情報の塊

しかし、それでも私は依頼者からの手紙の公開に関してはネガティブな意見を持っています。公式サイト内での手紙の公開に関しては書いた依頼者本人にも了解を得ているはずですが、それでも個人情報の塊のような手紙の中身を公開することに対して、探偵事務所の個人情報に対する扱いの軽さを感じてしまうからです。

探偵は本来、仕事をしていく上で知りえた個人情報を安易に漏らしてはいけません。同じ探偵事務所の調査員同士が仕事上の情報交換や個人の特定が不可能な範囲での公開は問題ないとは思いますが、公式サイトでの紹介は極力慎重に進めるべきだと思います。

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