相見積もりとは何か
こんにちは。管理人のエスポワールです。今回は探偵事務所と契約する際の見積もりの取り方を紹介します。
まず最初に、例えば「探偵事務所に調査員2名で30時間の行動調査を諸費用全て込み100万円」で契約したとします。この100万円は果たして妥当な金額なのでしょうか。そんなこと普通分かりません。
探偵事務所の調査費用は調査を依頼する側も提供する側も絶対数が多くないので、市場価格のようなものが存在しません。だから適正価格を知る為、自己防衛の手段として相見積もりが必要なのです。
相見積もりとは、「依頼をする側が複数の業者に対して見積もりを依頼し、価格や諸条件を確認すること」です。
ビジネスの世界では常識ですが、それができない依頼者、それをやらない依頼者が多いのです。そんな探偵事務所との契約における相見積もりが今回のテーマです。
また、相見積もりには「相見積」とか「相見積り」と表記されることがあります。どれも同じです。しかし、一般的には単に「あいみつ」と省略されたりすることが多いです。以降、表記を「あいみつ」で統一します。
また、あいみつをとる探偵事務所の選び方に関してはまた別の記事でまとめたいと思います。
あいみつを取る際にはマナーやルールがある
まず最初に、あいみつを取ることは探偵事務所側からすると歓迎はされないものの、失礼な行為ではありません。
ですから、あいみつを取る際にはマナーやルールがあります。そんなマナーやルールを紹介します。
歓迎されない理由は、見積もりの作成には多少の時間や専門知識だけでなく、現場の探偵の人員の余裕などの折衝などの労力が必要だからです。そして、結果としてそれらの労力が無駄になることも多いからです。
一般家庭の買い物においてあいみつを取る機会はリフォーム業者や引越業者の選定くらいだと思いますが、探偵事務所の選定においても基本的には同じやり方です。
ただ、探偵事務所の場合は、あいみつを取る際の探偵事務所側の態度や反応からダメな事務所が分かる場合があります。その辺りも紹介していきます。
あいみつを取ることを最初に伝える
探偵事務所の担当者と最初に商談・面談する際にあいみつを取ることを伝えてください。これはあいみつを取る際のルールです。伝えるタイミングは電話で面談のアポを取る際で問題ありません。
また、あいみつを取ると伝えた際、嫌そうな態度を出すような担当者がいる探偵事務所は即切って問題ありません。具体的には「浮気が深刻化する前にすぐにでも調査したほうがいい」と契約をすぐにまとめようとしたり、自社の見積りを出す前から他社との交渉の進捗状況を聞いてくる場合です。
交渉の進捗状況を聞かれた際、正直に答えても良いと思いますが、見積り書そのものを見せたりしない方が良いと思います。そして、他社の見積もりを基準に値引き交渉をするのはマナー違反です。どうしても「○○万円以下での調査」が希望であればその件も最初に伝えてください。
とにかく、あいみつを取ることを最初に伝えるのがマナーであり、伝えた際の相手の反応に注意してください。
各社の調査時間や調査日程を合わせる
つまり、調査の条件を同じにすることです。条件を同じにしないと金額の比較ができません。
ですから、探偵事務所を選んだりする前に調査時間や調査日程を合わせることが大事なのです。調査時間の意味や調査日程の決め方が分からない方は下記の記事を参考にしてください。
また、調査の条件を合わせる際に、「調査員の人数」を決めなければならないことがあるかもしれません。調査員の人数に関してはまた別の記事で詳しくまとめなければならない事項なのですが、とりあえず、「2名」もしくは「2名以上」での見積もりの作成を依頼してください。
その他、比較できないような諸条件などがあるようでしたら、それらをメモに残すか、見積書に盛り込まれているか確認してください。最終決定は金額だけでなく、これらの諸条件が決め手となる場合があります。
どのような諸条件が盛り込まれる場合があるのか、見積もりを比較するポイントなどはまた別の記事でまとめます。
断る探偵事務所には必ず連絡する
あいみつを取れば必ず調査のお断りをしなければならない探偵事務所がでてきます。その場合、すぐにお断りの連絡を入れて下さい。それは、あいみつを取る際のルールです。
つまり、「連絡をしないという事はお断りだと察して」という態度は絶対にやってはいけません。
契約しない探偵事務所になんて今後の接点があるわけではないので、別に邪険に扱っても別に問題が無いように思います。しかし、伝えるのが気まずい内容でも伝えなければならないのが大人のマナーです。こちらから見積りの作成の依頼をしたのですから。
世間ではマナーの欠けた探偵事務所が多々あるのですが、マナーの欠けた探偵事務所を見極める武器や尺度は自分自身のマナーです。マナー違反、嘘の常習化が蔓延する探偵事務所の世界でこそ依頼者の高いモラルが自己を守る防具になるように思うのです。
お断りする際には理由も必要です。その際はとりあえず「金額・条件などを他社と比較して総合的に判断して劣る」とだけ伝えればよいと思います。また、探偵事務所はそれぞれ一般消費者からは見えなくても裏でつながっている可能性があるので、「調査の必要が無くなった」と嘘をついたり、「担当の方が何となく信用できない」と正直すぎる感想を言う必要はありません。
そして、見積もりを作成してくれた感謝だけは伝えてください。
「あいみつです」と最初に言ってくれる人は20人に1人?
かれこれ私が探偵事務所に勤務していた頃、7年程前になるのですが、窓口担当者とあいみつについて話をしたことがありました。
その際、担当者は「あいみつを取っていると最初の時点で言ってくれる人は、およそ5%程度」と言ったのです。当時、探偵としても駆け出しのころで、探偵事務所の営業も分からないことが多い時期でしたが、それを聞いて非常に驚いた記憶があります。
あいみつを取っている事を隠している方が一定数存在していることも当然考えられますが、対応した時の様子から察するには、あいみつを取っているような感じが最初からしない方が殆どだそうです。
探偵事務所の調査費用は一般的には高額です。その点を十分認識して契約する、契約しないの判断をすべきですし、それをしないことは依頼をする側の怠慢です。
探偵事務所に調査を依頼することはある意味では「人生を掛けた勝負事」になる可能性が高いです。気楽には出来ません。だから、絶対にあいみつを取ってください。
また、「ネットで多くの探偵事務所のホームページの調査料金のページををよく見る」ことはあいみつを取ることではありません。「探偵事務所一括比較サイトを見る」こともあいみつを取ることではありません。しつこいようですが、複数の探偵事務所に直接電話して商談・面談のアポを取り、見積書をもらってください。それがあいみつです。
そして、圧倒的少数派である5%の依頼者になってください 。