探偵事務所との契約時間に関して理解しておくべきこと
こんにちは。管理人のエスポワールです。今回、探偵事務所と契約する際の契約時間に関してまとめます。探偵事務所との契約における契約時間の意味や、契約時間に含まれるものや含まれないものを説明します。
契約時間の意味を理解した上で、契約時間を決定し、複数の探偵事務所から見積りをもらい、それぞれを比較してください。契約時間が決まらないままだと、探偵事務所も見積りが出せません。また、契約時間を探偵事務所の担当者と決めるとなると、必要以上の契約時間を勧められる場合があります。
しつこいようですが、契約時間は依頼者自身で決めてください。
探偵事務所との契約時間とはそもそも何か
探偵事務所との契約時間とは何か。結論を先に申し上げます。「契約時間とは探偵事務所の探偵の拘束時間」のことです。言い換えれば、依頼者がパートナーの浮気の証拠を撮影するために雇った探偵の拘束時間のことです。
だから、探偵事務所と契約すれば探偵の時間を拘束できますが、そのことで浮気の証拠をおさえた訳ではありません。ですから、探偵を拘束した時間にパートナーが浮気相手と会わないで一人で喫茶店で読書しているだけでは意味がありません。同様に、パートナーが浮気相手と会っていてもその時間に探偵を拘束していなければ意味がありません。
つまり、探偵の拘束時間にパートナーが浮気相手と不貞行為に及ばない限り、調査時間が無駄になるのです。しかし、無駄が一切ない調査は存在しません。ですから、その無駄を認識するためにも調査時間に対する理解が必要なのです。
探偵の拘束時間の始まりと終わりとは何か
探偵の拘束時間の始まりは「依頼者が調査を指定した時間と場所で張り込みをスタートした時」です。一方、探偵の拘束時間の終わりは少し複雑です。
- 尾行ターゲットを生活拠点まで追い切った時
- ターゲットの尾行や張り込みに失敗した時、または調査が発覚した時
- 依頼者指示による時
1番は調査としてできることが終わった時。2番はこれ以上調査ができなくなった時。3番は調査をする必要がなくなった時。このような認識で問題ありません。
このうち、依頼者の立場で調査の終了をコントロールできるのは3番だけです。調査時間中にパートナーの外出する予定が急に中止になってしまった時などです。依頼者にとっても探偵にとっても出てこない相手の張り込みを続ける事は時間の無駄ですから、このような場合はすぐに担当者に連絡して調査を中止してください。
また、調査期間に依頼者がやるべきことに関しては調査の終了の指示以外にも多くあります。それはまた別の機会にまとめます。
このように、調査の終わりに関しては依頼者の立場からすると非常に曖昧なところがあり、探偵事務所の調査時間に対する理解を難しくしています。
調査時間に含まれるものと含まれないもの
ここから調査時間に含まれるものと含まれないものをQ&A形式で説明していきます。答えを予想しながら読み進めてください。
Q.1
調査対象者の勤務後の17時から勤務先より張り込みを開始しましたが、23時の終電の時間までに調査対象者が出てきませんでした。この間の6時間は調査時間に含まれるのか。
A.1
含まれます。調査対象者の勤務後、勤務先からの退勤が未確認でも調査時間に含まれます。
つまり、探偵の見落としではなく、「17時以前に調査対象者が勤務先から外出し、そのまま直帰した」という可能性が考えられるからです。そのような可能性が少しでも存在する場合、本当は探偵が対象者の出入りを見落としていたとしても調査時間が消費します。
ですから、勤務時間の外出と外出先からの直帰が頻繁にある場合、出勤時の家の玄関から調査対象者を尾行し、勤務先に着いてからも勤務先で張り込みます。そして、調査対象者が勤務時間に外出した場合でも、外出先まで尾行します。
つまり、調査対象者が外回りの営業でも尾行し続けるのです。このようにして朝から勤務後まで連続して監視を切らさないで調査をします。
このようなケースでは仕事中でも尾行・張り込みが継続するので、勤務時間内の外出と外出先からの直帰が頻繁にある調査対象者の尾行には多くの調査時間が必要です。
しかし、勤務時間中の調査対象者の様子などは浮気の証拠にはなりませんし、調査時間がすぐに無くなってしまいます。その為、仮に勤務後に調査対象者を捕捉する可能性が低くなったとしても、日中の尾行を敢えてやらないと判断する依頼者もいます。
Q.2
調査の開始場所が過疎地の為、調査開始の場所まで車で4時間かかってしまいます。
その場合、探偵の移動時間の4時間は調査時間に含まれるのか。
A.2
含まれません。基本的に調査対象エリアが全国を対象にしている場合は国内のどこであっても移動時間は調査時間に含まれません。
しかし、調査エリアが外国の場合は飛行機代と宿泊代が別途発生することが多いです。この点は確認が必要ですが、外国の調査の場合であっても移動時間が調査時間に含まれることはありません。
Q.3
調査報告書の作成時間は調査時間に含まれるのか。
A.3
含まれません。尚、調査報告書の作成に関しては調査内容のボリューム次第では半日以上の時間がかかります。しかし、分厚い報告書でも、薄っぺらい報告書でも報告書の作成時間は調査時間に含まれません。
Q.4
朝の6時から調査を開始しました。18時に調査対象者が浮気相手と接触し、二人がタクシーに乗車したのですが、その際に別のタクシーを探偵が拾うことができず、調査対象者を見失いました。6時から18時までの12時間は調査時間に含まれるのか。
A.4
含まれます。見失うまでの12時間は調査時間としてカウントされます。交通事情のような不可抗力による尾行の失敗は調査のやり直しの対象とならないと最初の契約の際に説明する探偵事務所が多いと思います。
尚、不可抗力による尾行の失敗で調査をやり直してくれる探偵事務所があるとすれば、大手よりも、探偵事務所の代表が依頼者と面談・商談して、しかも現場にも出るような中小の事務所に多いかもしれません。依頼者の顔を知っていると、少しは依頼者の為にサービスしたくなるのが人情なのです。
また、雇われている探偵の感覚だと調査のやり直しはしないのですが、私のようなフリーの探偵の立場だと次の依頼も欲しいとの思いから、私個人の責任で失敗した場合には無償での調査のやり直しを申し出ることもあります。
Q.5
朝の6時から調査を開始しました。18時に調査対象者が浮気相手と接触したのですが、その後、現場の探偵の集中力の欠如により尾行に失敗しました。6時から18時までの12時間は調査時間に含まれるのか。
A.5
含まれます。大事なことなので、もう一度書きます。不可抗力だけでなく、探偵のミスにより尾行が失敗しても、それまでの時間は調査時間に加算されます。
しかし、探偵事務所の担当者は「探偵の集中力の欠如により尾行に失敗した」とは報告しません。「警戒行動が見られたため、調査対象者と尾行の距離を取り見失った」のような嘘の報告をするはずです。「決してばれない嘘はつき放題」というのが探偵事務所のスタンスです。
ただ、タクシーの場合と同様、調査のやり直しをしてくれる探偵事務所もあると思います。この辺りも要確認です。
Q.6
朝の6時から自宅からのパートナーの調査を依頼しました。調査開始直後にパートナーが自宅から出たのですが、10時の時点で何故か探偵らしき人物が自宅の前で張り込んでいます。6時から10時までの4時間は調査時間に含まれるのか。
A.6
含まれません。この場合、明らかに見落としです。すぐに探偵事務所の担当者に連絡し、調査を中止させてください。状況次第によっては調査料金の返金も発生する事案となります。
以上でQ&Aは終了です。大事なことを最後にまとめます。
探偵が調査対象者を見落とした場合や調査が発覚した場合は過去に遡及して調査時間は消費しません。しかし、不可抗力によるものであれ、単なる過失であれ、尾行の失敗の場合は失敗した時間まで調査時間は消費します。
尚、移動時間や報告書の作成時間は調査時間とは無関係となります。
このような認識で問題ないと思います。ただ、細かいルールに関しては各探偵事務所ごと異なりますので、契約の際に確認してください。
調査時間に関する理不尽な原則、探偵が失敗しても調査時間は消費する
探偵の集中力の欠如により尾行が失敗しても、尾行の失敗した時間まで調査時間は消費するというのは難しい問題だったと思います。しかし、私が勤務していた探偵事務所では普通でした。
しかし、ここで驚くべきことは、失敗した理由を依頼者に正直に報告せず、決してばれない嘘をつくということです。探偵業界では「決してばれない嘘はつき放題」なのです。
以前、探偵事務所のホームページには嘘や誇大広告だらけであると書いたことがあります。その根本的な理由も「決してばれない嘘はつき放題」という探偵事務所の悪癖にあります。
このような事実は依頼者にとっては不利益でしかありません。
ですから、依頼者が少しでも実態の把握と自己防衛が必要で、探偵事務所の選び方だけでなく、契約する際の確認事項や情報提供を内部の人間が隠さずに行うことが必要だと感じるのです。