大谷石採掘場跡訪問記ー巨石を切って運んだ先人たちの労力の跡を見に行くー

大谷石とは宇都宮市北西部で採掘される軽くて柔らかい石のこと

こんにちは。管理人のエスポワール です。今回は栃木県宇都宮市の北西部一帯で採掘される大谷石の採掘場を紹介します。

まずこちらが実際の大谷石となります。軽くて柔らかい点がこちらの石の特徴ですが、触った感触だけでは軽さも柔らかさもよく分かりません。大谷石採掘場及び資料館はアクセスが市街地より容易で、宇都宮市の観光スポットにもなっています。

また、資料館の付近にある大谷寺には日本最古の石仏があるということで、大谷の訪問を決めました。「日本で最古の~」「日本で最初の~」「日本で唯一の~」というものを発見すると現場へ行ってみたくなるのです。

幻想的な洞窟のような大谷石採掘場

採掘場までは宇都宮駅から入場券付きのバスの往復券を販売しています。採掘場と駅を往復するだけならたいした割引ではありません。

ただ、途中下車が可能なので市街地の観光など、上手に利用すれば十分お得なチケットだと思います。

バスで45分ほどで資料館前へ到着。資料館の前は公園になっています。

このように山を削った跡が生々しく残っています。

こちらが大谷資料館です。ここから地下坑内への入り口となります。

ここから坑内へ入っていきます。坑内は立ち入り禁止区間を含めるとおよそ学校の校庭ほどの広さがあるように思います。また、坑内の平均気温はおよそ10℃。外気との気温の差を既にこの辺りから感じます。30mほど地下に潜っていきます。地下坑内は写真撮影は可能です。

こちらが坑内の写真です。実際の現場は地下世界、あるいは映画で見た宇宙や月の光景のような奥行きがあって幻想的な景色なのですが、写真が上手く撮れません。単純に地下坑内の光が足りないというだけでなく、湿度も高くて霧が立ち込めたような状態なのです。

こちらが華道家の假屋崎省吾氏の作品です。坑内の幻想的な環境を利用して映画やMV撮影のロケ地としても利用されています。

ただ、幻想的な空間の素晴らしさよりも、これだけの容量の石を切り出して運搬・加工した人間の労力と知恵に感動します。

日本最古の石仏がある大谷寺と平和観音像

続いて大谷寺へ向かいます。申し訳ないのですが、正面入口がいきなり工事・改装中だと少し興ざめしてしまいます。

寺に入ります。これより先に日本最古の石仏があるのですが、写真撮影は禁止されています。しかし、解放された扉の向こうに大谷観音の一部が映りこんでいます。こちらが平安時代(810年)に作成された日本最古の石仏です。

大谷石が柔らかいという特性上、大昔の未熟な加工技術でも石仏の作製が可能だったと想像します。ただ、長い歴史の中では火災の被害にもあったこともあり、保存状態はあまり良くありません。

こちらが大谷寺に隣接している平和観音像です。戦没者供養が目的とされ、昭和31年に完成しました。周辺は幼稚園児の散歩コースになっており、非常に賑やかでした。

観音像といえば仙台大観音が国内の観音像の中では非常にユニークなので今後ぜひ紹介したいです。

巡礼宿の紹介センターがいた頃まで営業していたのか気になる

一通りの観光を終えて宇都宮市街地までのバス停へ向かう途中に一見変わった薬局を発見します。どうやら一般的な薬屋ではなく、石材加工業社、塗装業社向けの工業用薬品販売店のようです。一般人でも入ってしまいそうな店構えをしています。

こちらは坂東三十三箇所の巡礼者、お遍路さん向けのホテル・旅館の紹介センターですが、現在は営業中止中です。お遍路と言えば四国の八十八箇所が有名ですが、こちらの紹介センターがいつ頃まで営業していたのか気になります。

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